年々、1年が経過するのが実に早く感じられるようになってきました。

皆さんはいかがでしょうか?

2012年もあとわずかですが、

 

少しでも多くの動物たちを助けて社会貢献ができるよう、

1日1日を大切に、そして全力で過ごしていきたいと思っております。

そのためには、何といっても身体が資本。

皆様も風邪などひかぬよう、どうぞお気をつけください。

 

さて、症例紹介です。

題名のとおり、再び尿石症の犬です。

(手術中の写真が含まれていますので苦手な方はご注意ください)

”おしっこを頻繁にするのだが少量しか出ない・・”

という主訴で小型犬が来院されました。

腹部のレントゲン検査を行なったところ、

 

前回のわんちゃんと同じように、

尿道の出口手前あたりに1個、

膀胱内に棘状の大き目の結石が1個と、1, 2個の小さめの結石

を認めました。

 

超音波検査では、結石による慢性的な膀胱炎のため、

膀胱の癖が分厚くなっていました(下の写真)。

 

尿道に結石が閉塞していますから、

前回と同様、水圧法+膀胱切開術が適応の外科疾患です。

方法やアプローチの仕方は前回と同様で、

まずは水圧法により尿道の結石を膀胱に戻します。

そして、膀胱切開によって

膀胱内の結石と、膀胱に戻された尿道結石を除去します。

 

続きを読む(閲覧注意)

 

さて、この手術でもっとも重要なこと。

 

当たり前ですが、結石を残さないこと・・・

ですよね?

 

そこで、何が重要なのか・・・

膀胱を切開して、膀胱内に確認された結石を除去すること自体は、

手技的にも重要度としてもたいした問題ではありません。

むしろ、分かる範囲の結石を除去したあとに行なう、

”カテーテルによる洗浄”

 

がもっとも重要な手技なのです。

膀胱内へ誘導したカテーテルを尿道側へ徐々にずらしては、

生理食塩水を送って洗浄するという作業を

これでもか・・というくらい念入りに行なっていきます。

”術前の検査で結石の個数が把握できているわけだから、

それらを除去すれば終わりなのでは?”

と思われるかもしれませんが、そう簡単な話ではないのです。

理由のひとつは、結石の特性・・・

つまり、レントゲンに映ってこないタイプの結石があるのです。

もし、レントゲンに映るタイプと映らないタイプが混じっていて、

映っているものだけを数えて除去し、

洗浄の作業をいい加減にしてしまったとすれば、

結石が残ってしまう可能性があります。

 

もうひとつの理由は、検査の限界です。

つまり、レントゲン検査は、あくまで最大二次元の評価であり、

さらに、あらゆる状態の一瞬を捉えた画像に過ぎませんから、

特に骨盤などとかぶってしまう場所に小さな結石がある場合などは、

見過ごしてしまう可能性があります。

また、数えられないほどたくさんの結石がある場合もあるわけです。

他にもいくつか理由はありますが、

この洗浄こそが尿石症の手術においてもっとも重要な手技なのです。

ということで、無事すべての結石が除去されました。

このわんこさんは、前立腺肥大と歯石の貯留もありましたので、

 

あわせて去勢手術とスケーリングも行いました。

そして、前回と同様、

これからの食餌療法・生活習慣がさらなる課題となりそうです。

ということで、今回も尿石症の症例でした。

排尿の回数や量などがなんとなくおかしい・・

という場合には早めにご相談ください。

コメントを残す